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R3Magazine-Web アルバム作品レビュー レビュー

「TRUE BGM / EBI Zanmai」

投稿日:

【環境音の枠を越える】

「環境音」と言ってもざっくりとしたイメージで、しかしながら確かにどれも日々当たり前のように聞こえている音の集合体。
"楽曲と環境音が同時に再生される"といった新しいコンセプトのコンピレーションでした。
環境音で縛られていても、日常、イベント、旅行、創造された音、意外に自由で遊び心のある楽曲が詰め込まれています。
この人といえば!な豪華作家陣が勢ぞろい。
20曲、張り切ってレビューいたします!

各楽曲レビュー

「asa no umibe / 宮田涼介」
朝の海辺、環境音コンピレーションの入門編です。
波の音に揺られながら、揺らぐパッド音に導かれ…。
ここからどのような世界観が飛び出すのか、期待の感情が高まるイントロダクションな立ち位置の1曲です。

「白線 / MAKOOTO」
快晴の空、夏を浮かべる前向きな1トラック目から、早速に舞台チェンジ。
田舎の古民家から空を眺めるような、まったりとしたアンサンブル。
切なくも温かみのある懐かしい想いが蘇るようなメロディ。
聴き終わる頃には、既にアルバムの世界観へ引きずり込まれているのではないでしょうか。

「Human 2 Ocean / バストラ/Ke-ta」
流水音から広がる世界。
楽曲はゆったり進むかと思いきや、パワフルで開放的なバンドサウンドが待ち構えます。
シンセベルのメロディと揺らぐFXの誘導が心地よい…。
じっくりとクライマックスへの感情がコントロールされる、計算高い1曲でした。

「翡翠の水辺で / rsy」
エモーショナルなリフと繊細なシーケンス音に囲まれて、シンプルな音の世界へ。
音の1粒1粒に耳を澄ませて、お気に入りの音色を見つけてみて下さい。
あっという間に過ぎ去ってしまいます。

「うみがめのなぎさ / startide/hiro」
アコースティックでメロディアスな癒しのひととき。
弦楽器に気を取られていると、ハッと隙を突かれる1曲です。
ベースの低音が聴き手を安心感で包み込み、後半の展開で世界をガラリと変えてきます。
皆さんはどう受け取るのでしょうか、各々のライブラリが試されます。

「傘の下の内緒話 / 良太」
タイトルから全く楽曲の予想がつかなかった1曲!
ポップで遊び心のある楽器隊が出迎えてくれます。
ビット数低めなエレクトロな音色と、可愛らしいチェレスタ風味な音色のコラボレーション。
きっと可愛らしい内緒話が潜んでいるんだと思います。
どこか寂しいエンディング、ちょっぴり意味深です。

「褪せた夏 / しっぽ」
タイトルがぴったりな、まさに褪せた夏…。
今年の夏を思い返すか、いつかの夏を思い返すか。
入りからグッとくる旋律に心を掴まれない方はきっといないでしょう。
既存の映像と合わせるもよし、目を閉じて思いを馳せてもよし、様々な楽しみ方があるような気がします。
美しいメロディに浸りたい方は、まずこの1曲をお勧めします。
最後の1音まで丁寧なしっぽ節、痺れます。

「黄昏の朧姫 / おかぴ」
某花札アニメ映画を彷彿とさせる、和のクライマックス感。
日本人ホイホイな和メロが心に刺さります。
シンプルな編成を恐れない、絶妙なバランスで足し込まれるパート群。
豪華なアンサンブルが優雅な転調の世界へと誘います。

「Negisoba / 清水 嶺」
タイトルはオシャレな外国語?と思いきやよく見るとネギそば。笑
アコースティックギター、ベース、ピアノを基軸としたシンプルな演奏。
お蕎麦も演奏も、2度美味しい幸せ空間が広がっているのではないでしょうか。
安心安全安定の清水嶺さんサウンド!
ピアノソロのブルーノートは秀逸です。Ⅶ♭〆まで覚悟してご堪能下さいまし。

「朽チハテ / 俊月」
朽ち果て、と聞いて身構えてしまいましたが…寂しさの中にどこか明るみのある旋律。
ちょっぴりハロウィンを想像して聴いても、別世界が広がって面白いかもしれません。
それぞれの聴き手はどのような情景を浮かべて聴くのでしょうか。
これを想像するのもまた、1つの楽しみです。

「Moonlight without U / 氷結」
タイトルから既に切なさが醸し出される1曲。
開いてみるとやはり哀愁漂うメロディが広がり、見知らぬ記憶に辿り着く。
楽曲から受け取る感情に浸るもよし、自分自身の記憶に照らし合わせてもよし…。
移調の迫り来る追い込みに負けてしまわないように、涙腺はご自身で調整なさって下さいね。

「Pebble and river jungle / EBI」
やる気に満ちたベースパート!大好物です。
更にグルーヴィーなパーカッション隊が加わり、ここできっと皆さん完全に目が覚めることでしょう。
バトンタッチで入れ替わるソロパートはまるで世界を旅するよう、ケルティックでアラビアンなひととき。
不思議な世界観を、愉快なさえずりと共にお楽しみ下さい。

「カフェ? / 斬龍」
室内へ戻ります。
カフェで演奏を堪能するようなイメージの楽曲は多く存在しますが、カフェで演奏しているような気分にさせてくれる楽曲は初めての出会いです。
エモーショナルでどこか陽気な旋律が絶妙、様々な感情を行き来する不思議なライン。
オチは意図的なものでしょうか、制作者の遊び心を感じます。

「KAMINARI-MON / タチやん」
更に世界観がガラッと変わります。
エレクトロな雷門!超絶グルーヴィーなベースラインは1粒残さず追いかけていただきたい!
まるでHANABIのビッグボーナスの如し!
ちょっぴりおめでたくも、オシャレな夜の雰囲気が感じ取れる不思議な楽曲。
サウンドメイクの一部はSFCぷよぷよ通を彷彿とさせ、懐かしさと斬新さに包み込まれる4分間をお楽しみ下さい。
収録楽曲の中ではイレギュラーな立ち位置ですが、イチオシの1曲となりそうです。

「Faint / Winna Strive」
映像なしでは情景を浮かべることがちょっぴり困難なイントロ。
日常感ある環境音とサイバーチックなエレクトロサウンドの融合。
造られた世界か、はたまた街角でのゲーム大会か。
聴き手の想像力が試される1曲なのではないでしょうか。
全てを込めてのフェイントなのですね。

「Sprinkling,Sparkling / Gowrock」
音楽にのめり込むきっかけとなった、あの頃のポップス…そんな感情が蘇る1曲。
聴き手が鼻歌やアドリブでメロディを足し込みながら聴いても面白いのではないでしょうか。
ベルとストリングスの掛け合いが最後まで心に刺さり続け、選択肢を広げます。

「smoke and rain / EBI」
タイトルから既にセンスを感じます…!
ヴェネツィアのカフェで聴きたくなるような、まったりとしたアコースティックギターとピアノ。
そしてさりげなく加わるアコーディオンとストリングスが楽曲の世界観に引きずり込みます。
それぞれが奏でる全く異なる旋律に浸る4分間が心地よい。
隅から隅まで"オトナ"な雰囲気を詰め込んだ1曲です。

「Separation / あだP」
しんみりとした気持ちで浸る、ちょっぴり悲しい帰路で、思い出を振り返りながら聴きたい。そんな1曲です。
全く無関係な他人と取り残された自分。
楽曲が終わる頃には、十分にSeparationを感じられているのではないでしょうか。

「帰路の賑わい / 稲米」
こちらは前向きな帰路。
同じしんみりでも全く異なる感情が溢れ出る優しいメロディライン。
環境音から、どこか懐かしい情景も浮かんでくるようです。
実家の帰省から日常へ戻るような、そんな寂しさと温かさが込められた楽曲でした。
田舎の温かみでしょうか。ホームシックになってしまいそうです。

「家に帰ろう / AKR-FITW™」
大トリも帰路曲!
果たしてどこからどこへ帰るのか、耳を澄ませて情景を浮かべるスタンバイ。
電車のベルを想起させるリフに加え、ちょっぴりレトロなシーケンス音が次々と足し込まれます。
音の海を堪能していると、気が付けばひとりぼっち…現実に戻され、若干ホラーなエンディング。
このコンピレーションをどう捉えるか、聴き手の解釈が大きく揺さぶられる一言。
衝撃的でした。

【聴き疲れのないアルバム】

流水音、鳥のさえずり、アコースティックなアンサンブル、ひたすらに癒しサウンドが詰め込まれた1枚。
目を閉じて聴き込むもよし、作業用BGMとして流し聴きするもよし。
聴き疲れすることのない癒し系コンピレーション、何度でも楽しめると思います。
全曲聴き終えたあと、また1トラック目へ戻ってくると、どこか懐かしい「おかえり」を感じるのも不思議な仕組みです。
TRUE BGM、ぜひご堪能下さい。

関連リンク

Web:https://true-bgm.storeinfo.jp

【文責】

おとめ(Time Travel Airport)
Twitter@asna_mp
HP:https://www.timetravelairport.com

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