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世にも奇妙な音の波紋。 hi-sence / Tattva -異世界コンピレーション-

更新日:

前回、歪で攻撃的な作品をとりあげたばかりですが、こっちの歪さは穏やかなカンジです。こんばんは、タチやん(@mofday)です。
今回は主催自らが「テーマの説明が難しい」とツイートしていた難題を取り上げた『Tattva -異世界コンピレーション-』を紹介します。

Tattva -異世界コンピレーション-について

“ホラーやファンタジーとは違う「異世界」をテーマにしたコンピレーション作品です。
言葉での説明がとても難しいのですが、単語として「平行世界」や「異次元」など。”
特設サイトにはこう書かれてあります。実際、僕もこのコンピには楽曲で参加しているのですが、テーマの扱いにとても難儀したのを覚えています。
結果、各人かなり自由にこのテーマを捉えたのではないでしょうか、ホラーともファンタジーとも言わないけどそういう要素も内包した、耳に残る歪な作品が集まっていると思います。

トラックリスト

Disc1 anamesis
Tr.1 良太 / 永劫(2:48)
Tr.2 宮田涼介 / 公園にて(5:01)
Tr.3 五十嵐傑 / Everyday everywork(4:26)
Tr.4 The Spring Beach Works. / Crime and Punishment(3:58)
Tr.5 79 Million Reserve / 邂逅(5:03)
Tr.6 清水 嶺 / 0丁目0番地 第0ビル 000号室(4:32)
Tr.7 神威零 / MysteriousMoonlight(3:59)
Tr.8 有栖川 悠cross(x)point(.)(4:50)
Tr.9 beni×Winna Strive / 記憶、或いは彼女たちに(3:21)
Tr.10 AKR-FITW / Views of another world(4:40)
Tr.11 Rutlδ / cmFuZG9t(Random)(4:00)
Tr.12 EarthSoundscape / Tricircle(3:09)
Tr.13 Lidea / とおいところ(4:07)

Disc2 mythos
Tr.1 真島こころ / 黄色のカーテン(4:18)
Tr.2 つばさくん / Life_Stream(4:04)
Tr.3 laple カナタ(4:51)
Tr.4 タチやん / new age waves(3:53)
Tr.5 竹之内貴英 / 水面に浮かぶ(2:31)
Tr.6 松野仁 / 虚数世界の浜辺(3:27)
Tr.7 F.ichika & aja / 境界峠(2:58)
Tr.8 EBI / 誘 ~IZANA~(3:16)
Tr.9 四月隠者 / 夜を彩色する(5:05)
Tr.10 藤里 / 1/f次元ヘルニア通信(3:24)
Tr.11 Itcha / Moonless Night ~Parallel Version~(4:27)
Tr.12 Bhearth / An artist in his daydream(3:35)
Tr.13 くふ / 帰路(3:21)
Tr.14 良太 / 回帰(2:20)

各楽曲レビューDisc1

ドローンなキックとシンセの音に調律の狂ったオルゴールのような音がまぶされて不気味さを演出するTr.1。
穏やかな風景がノイズに切り裂かれ全く別の風景と変わる瞬間を聞き逃せないTr.2。
エレピの音とオルゴールの音に少しボサノバっぽくもあるリズムがおぼろげに聴こえるTr.3。
別世界からの呼び声のようなボーカルの使い方と水琴窟にいるようなマリンバの音が特徴的なTr.4。
環境音楽(アンビエント)としての輪郭を持ちながらどこかその境界線のないスペーシーな印象も受けるTr.5。
キテレツに動き回るストリングスとピアノがおどろおどろしかったり優雅だったりと色を変えていくTr.6。
事件性のあるようなイントロから始まって、どこかサスペンスで使われてそうな緊張感あふれる曲調のTr.7。
様々な形に刻み込まれたリズムに伸びやかなシンセパッドが絡み合うTr.8。
ダークなメルヘンさを感じるオケに耽美なチェンバロとストリングスが噛み合ったTr.9。
長く響くリフとリズムトラックの余韻が空間を濁していくような印象のTr.10。
静けさを感じられる鳴り物を、イントロから延々鳴り響くスペーシーなシンセが容赦なく塗りつぶしていくTr.11。
ピアノの残響、1音1音までひたすら美しく静かなイメージのTr.12。
何を言っているのか全くわからないほど加工された人の声が、オケの存在によって様変わりしてしまう手品のようなTr.13でDisc1は終わります。

各楽曲レビューDisc2

伸びやか穏やかなピアノの曲がプチノイズやSEで”異世界らしさ”を演出しているTr.1。
アナログなドラムに左右にうねる不可思議な流れのシンセパッドが乗っかるTr.2。
終始一定のリズムを刻み続け、やはりシンセパッドや他の楽器体がそこに乗るアプローチのTr.3。
イントロのフェードインから一瞬のブレイク、そしてベルやワブルベースやストリングスや8bitなシンセとごったがえすTr.4。
気持ちの良さと悪さの二律背反な音を重ね合わせた奇妙な音の波のTr.5。
拍の取り方やメロディラインのリズム感が生み出す不思議なグルーヴ感に身を委ねられるTr.6。
アコーディオンと東方の異国情緒あふれるようなメロディが面白く混ざり合うTr.7。
掠れたようなバックのシンセと対象的にアナログな楽器隊、特に瑞々しさも感じられるフルートの音色が特に心地よいTr.8。
ホラーテイストなピアノ&シンセとファンタジックなベル&SEが不気味だったり優しかったりするTr.9。
メロディラインのみならず、ベースにもリズムにも音と音のスキマに余裕を感じられる、ゆったりとした曲調でありながらどこか気怠いTr.10。
例えるならば、ちょうど人気のない夜の森をローソク1本で練り歩く様な不思議な感覚に陥ってしまうTr.11。
非常に落ち着いた、アダルティな雰囲気に身体を預けられるTr.12。
ジャジーなピアノで作品の終盤に安堵をもたらしてくれるかのようなTr.13。
ラストはそんな不思議な世界から現実世界に戻ってきたような、歪さが取っ払われたようなTr.14で締めくくります。と思ったらラストで……「戻れるかな?」

総評

文字に起こす、という意味ではとても厄介な(失礼)テーマを取り扱ったなあと、各人がどういう主題の捉え方をするか、それをリスナーがどう捉えるか、ある種冒険染みた主催者の意図を感じなくもないです。
Disc1は音の輪郭がおぼろげな感じ、Disc2は輪郭が幾分はっきり聴こえる分より歪な印象の曲が多く思います。
あなたにとっての『異世界』とはさて、どういったものだったでしょうか?
作者の気持ちを答えよ なんちゃって。

また、CDの購入者や参加者が集まって同時に作品を聴くといった催しも開催されたみたいです。
2016/11/19異世界コンピ公聴会まとめ

Tattva -異世界コンピレーション- 特設サイト
通販ページ(BOOTH)

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