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僕と世界・理想と現実。 夕立P / She in the shell

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 結月ゆかり・紲星あかりオンリー同人即売会、「この声届け、月までも 肆」に合わせて夕立P氏がリリースした…たぶん1.5作品目となるEP。すべての楽曲が、iPhoneによる作曲と紲星あかりによる歌唱で制作されている。「地球はかい爆弾」名義での活動でリリースした楽曲と、おそらく新曲をもりこんだ4曲構成。

各楽曲レビュー

01 She in the shell
もとは、地球はかい爆弾で結月ゆかりの歌唱でリリースした楽曲を紲星あかりでカバーしたもの。若干の浮遊感と、不透明感。にごるというよりは、明るくもないがしかし汚いとも言えない、鈍く濁ったパステルカラーのイメージ。僕と"あの娘"を対象としつつ「ポジティブなのか?ネガティブなのか?」を歌にしている。それらがわずか紙一重であり、実際には「誰もが心の中でそれぞれが持つ内省的ロジックは、そんな言葉では表すことができないのではないか?」と、ぎくりとくる。

02 Fake World
スローテンポでミステリアスな雰囲気が素敵な曲。しかしながら、そんなミステリアスな世界の中で、僕という自己の中に孤独を感じていゆく曲でもある。独りでぼーっとしているときに、じわりじわりと染み込んでいく黄昏のしょっぱさと、ビー玉の中にある悲しくて脆い輝きとか、そんな繊細な不安が伝わってくる。

03 Minar Word
Fake Worldに似ているが、それよりも明るい雰囲気がある。ピコピコとした音も前の曲よりもピシッっとしていて明るさを感じる。都心部の夜の街のビル街の灯りぐらいは明るいけれども、やはりでも"どこかそれは遠くの出来事"で…といった焦りと水っぽさ。Minarとあるように、前の曲はひろく漠然とした「世界」であったが、こちらは狭い「ぼくたち」の世界。

04 Fragile Bonus Track
これももとは、地球はかい爆弾名義時に発表した楽曲。歌唱もオリジナルは結月ゆかり。広義的なドラムンベースに含まれると思われ、EP収録曲のなかでは相対的に一番のハイテンポ。やはり一番特徴的なのは、楽曲中におけるピアノの主張だろう。悲しい音色ではあるが、タイトルとは違ってしっかりとした美しさを感じる。

総評

 どの曲もしっとりとリラックスようダウナーな楽曲であるが、人間のもつメンタルの弱さというものをザクザクと表現している。心の暗さを歌う曲が多いが、それらは絶望という暗い感情ではない。ここにあるのは、大人になれない人の内側にある「わがままでありたい素直さ」と「しかし無力であることからくる諦め」からくる矛盾への心の葛藤を通した"罰と似て非なるもの"への逃走と、自己弁護のエゴイズムの無自覚で不器用な解放である。

 理想と現実・世界と僕との関わりのなかで、迷いながらも僕でありつづけるということは、実は絶望したり、ネガティブであるといったことよりも、本当は難しいことではないだろうか?

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文責:STERN(@STAR_ac_jp)

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