こちらの作品は尺八とサックスによる世にも珍しい組み合わせの楽器と、ゲームのBGMという体を成している『山染世界』さんの4作品目です。
神無月の章について
ひとつ前の山染世界さんの作品レビューで解説しているのですが、山染世界さんの言う「架空のゲーム」中でいうところの、第2部後半にあたる場面の楽曲を収録しています。
メイン楽器の尺八と、リードのサックスが入れ替わったりハーモニーを奏でたりする様が、異国の楽器同士なのにやたらとしっくりくる不思議。
この不思議な響きがやみつきになる楽曲が揃っています。
Ke-taさんのピアノ演奏も抜群です。作曲はKe-taさんがされているのですが、時折プログレッシブな展開を見せることも。
トラックリスト
Tr.1 ビャッコの洞窟
Tr.2 曲間(姉と弟の再会)
Tr.3 あやつり人形
Tr.4 四天王との戦い〜ビャッコ〜
Tr.5 やさしきイオリ
Tr.6 ビャッコの洞窟(CVなしver.)
Tr.7 四天王との戦い〜ビャッコ〜(CVなしver.)
各楽曲レビュー
ピアノとウィンドチャイムの冷たい響きと、怪しげな雰囲気を醸し出す2つのリード楽器が仄暗い洞窟を演出するTr.1。
ナレーションとゲーム中のキャラクター同士の会話、ボイスドラマの1幕的なTr.2。
3拍子のデカダンスなメルヘンさと、音数や展開の大人しさで淡々と奇妙さを打ち出したTr.3。
ピアノとリードの絡み方から迸る緊張感と疾走感。曲間に差し込まれるボイスドラマ展開では、某少年漫画の有名ボスキャラを彷彿とさせる声が……
穏やかなピアノ演奏とメロディアスながら安心感を与えるリードの交差する音が心穏やかにしてくれるTr.5。
Tr.6と7はCVなしver.なので割愛させていただきます。
まとめ
ぼくはTr.4の、いかにも強敵と戦っているシーンを演出している「やってやるぜ!」感が大好き。
そんなアツいTr.4の後にTr.5の穏やかな流れは王道にしては贅沢なカンジでとても良きかな……ごちそうさまです。
1作品で20分しない(CVなしver.を除くと15分もしない)前回同様短めの作品ではありますが、まず尺八とサックスのこの2つとなさそうな絡みを是非体験してもらいたい。
ピアノの打ち出してくる楽曲の展開や、ドラムが作り出すノリも素晴らしいので、1度目はリードに注目して、2度目(強くてニューゲーム)ではそちらにも耳をより傾けてもらえたら分かりやすいかと思います。
最近ではライブ活動も多くなってきていたり、ゲームキャラクターのLINEスタンプを発売したりと精力的に活動されています。
気になる方は是非、Twitterでその活動を追いかけてみては。7月に行われるイベントでは札幌にまで足を運ばれるそうですよ。
関連リンク
公式サイト http://www.sanzen.tokyo
Twitterアカウント @sanzen_tokyo
BOOTH https://sanzen.booth.pm
文責:タチやん