レスポンシブ広告




R3Magazine-Web コラム

自分の作品を誰かの元に届けるために

更新日:

7.どうやって見つけてもらおうか?

作品のリリースには、大まかに3段階のフェーズがある。ここでは話をシンプルにするためにリリース当日=イベント当日であるという前提とで話を進めてしまうが、基本的には下記の3つのフェーズを押さえておく事になる。

  1. リリース前
  2. リリース当日(イベント当日とする)
  3. リリース後

同人の考え方にセールスやマーケティングの考え方を持ち込むのは個人的に好かないという事情はあるのだが、昨今の同人事情を考慮すると、せっかく作った作品を少しでも多くのリスナーさんに見つけていただくためには多少の努力をせざるを得ないのも事実なのである。

1.リリース前

作品をリリースする、となった場合、ほぼ例外なく発生するアクションは以下のようなものになると考えられる。

  • 特設サイト作成
  • 試聴用デモ、PVの作成
  • 宣伝

大多数の作品は、リリース当日から遡って数週間から数ヶ月、長い時では1年近く前から構想が完成しているパターンもある。

となると、「どのタイミングで情報をオープンにするか」、「どのように情報を発信するか」が悩みどころになる。上記アクションをどのような順で、どのように行うかは様々だが、特に悩みの種になるのは宣伝の部分だろう。

幸い、ツイッターの普及のおかげで「こういう作品、出します」と発信すれば、フォロワーの方の目に留まればRTをしていただける事もあるだろうし、それを見た方が興味を持ってフォローしに来て下さったりという事もあるだろう。特設サイトや試聴デモといった成果物はこの時点でオープンになっていると考えて良い。

一方、見せ方が上手なサークルや楽曲クオリティが高いサークルであっても、ツイッターという閉じたネットワークより外のエリアまでは情報が届かないのも事実なのである。この問題を解決するのに有効なアプローチは色々あるのだが、例えば同人界隈には同人作品の普及促進を目的としたネットラジオやレビューサイトも多数存在する。また、CD媒体という形を取らないDL型のコンピレーション企画(大抵は自由参加)も探せば色々出てくるので、そういった機会を活用して自身の幅を音楽的にも人脈的にも広げる事ができる。このあたりは音楽ジャンルや自身の性格によって向き不向きがあるので、色々調べてみると良いだろう。

2.リリース当日

イベント当日、初参加サークルでもベテランサークルでも、必ず気にする事が何点かある。

  • ブースの設営
  • 呼び込み

呼び込みについては第4章でご紹介したトロワルさんのコラムを読んでいただくとして、ブースの設営および、イベント中の立ち回りという部分に触れていく。ブースの設営に関しては同一コンセプトのものを探す事の方が難しいほどバリエーションが豊かであるが、それでもなお絶対に外すことは無い共通要素というものは存在し、更に言うとスタイル自体は大きく2,3種類に大別が可能である。

【空間・雰囲気重視型ブース】

作品在庫をあまりテーブルには置かず、ブーススペースの大部分を主に装飾に使う事を優先するスタンスである。目にした人が思わず引き込まれるような雰囲気を演出するスタイルで、世界観や作品コンセプトがしっかり固まっているサークルがこれを行うと、通りすがりのリスナーさんに強烈なインパクトを与える事ができる。ジャケイラストやポスターデザイン、ブースに立つ際の衣装にまで気を使う事になる可能性が高いが、文字ではなく視覚でもある程度勝負が出来るという点で非常に強いと感じる。


Fig.6 ビジュアルに訴えかける

一方、雰囲気を優先しようと思うと呼び込みが思うように出来ない可能性を覚悟しなければならない点や、ブースの設営に時間がかかったり準備にそれなりの費用がかかったりするという点では、得意不得意がハッキリ出てしまうという話はある。

デザインセンスが必要とされる難しさはあるが、一見さんの目に留まる貴重な機会を最大限活用できるという意味で非常に魅力的なスタイルである。個人的な見解にはなってしまうが、全く興味の無いジャンルでもこういった設営のサークルは見ていて楽しく、思わず「曲は全然分からんが、試聴だけでもしてみようかな・・・」という気分になる事がある。

【情報掲示型ブース】

雰囲気作りの要素をあまり気にせず、ガンガン作品をテーブルに並べて品揃えの豊富さアピールを優先するスタンスである。具体的に「こういうモノを扱っています」という情報をダイレクトにアピールするスタイルで、2次創作をメインに扱うサークルや、コンセプトがバラバラの作品を複数同時に扱うサークルに向く。前述の雰囲気作り重視のブースに比べてアクティブな呼び込みや作品の特徴を少ない言葉で的確に伝える必要があるという点で、当日の忙しさは凄まじい。特に2次創作ではない場合、ほぼジャケイラストやポスター、呼び込みに頼る方法でしか振り向いてもらえないのである。ジャンルが確定しており、「まぁ大体扱ってるモノは分かる。あとは実際聴いてみてから考えよう」というリスナーさんにとっては作品の数や選択肢が多いという点でメリットになるのだが、多くの場合は終盤まで見向きもされずに終わるという悲しい展開に陥りやすいのも事実である。こういった悲しい展開を回避するポイントはいくつかあり、例えば「分かりやすいキャッチコピーを載せる」、「代表的な曲調やジャンルを提示する」、「気合で呼び込みを頑張る(呼び込みは最近では非推奨とされる事が多いが)」といった工夫がある。


Fig.7 見た目は地味だが情報量は多め

またしても個人的な見解で恐縮であるが、昨今の同人音楽事情を考えると、情報提示型のブース設営は余程の理由が無い限り避けた方が無難である。お誕生日席常連サークルや壁サークルになれるほど知名度が高ければ関係無いのだが、普通にリスナーを待っていたら真っ先にスルーされるのはこういったタイプのブースなのは事実なのである。

【バランス型】

結局落ち着くのはここか、という話になるのだが、前述したスタイルはどちらもそれなりにメリット・デメリットがはっきりしており、特にデビューしたばかりで分からない事が多い若手サークルにとっては準備にかかる負荷や当日の立ち回りの負荷が増えてしまうのはあまりよろしくない。飾り付けの小物類を駆使してブースの雰囲気をそこそこ作りながら、その景観を壊さない程度に文字やポスターで情報をバランスよく提示、というのが最初に目指すところであろう。そうなった場合、気にするポイントは下記のようなところに落ち着く。

  • ポスター:ジャンルや世界観を表現
  • 小物:ジャンルや世界観を表現
  • メニュー:価格、作品リスト
  • 装備品:簡単に着脱できるものがおすすめ
  • キャッチフレーズ:呼び込みの際に効果的

特にポスターは、テーブルクロスが無い場合には足元を隠すという効果もあるため、地味に重要である。(同人イベントのスペースの広さ的にはA1サイズのポスターが無難なサイズ。A1サイズというのはA3サイズの4倍なので、事前に4分割してコンビニ印刷等でA3で印刷し、後から4枚をテープで止めるなどして1枚のポスターを作るというのが低予算かつお手軽。個人的には初心者にオススメの方法である。)


Fig.8 地味すぎてもアレだが、難しく考えなくても大丈夫

完全に個人運営のサークルの場合は会場に持ち込める資材の量にも限界があるため、旅行かばん1つに一通り収まる範囲で何とかするのが基本になるのだが、2人サークルや3人サークルの場合は持ち込める資材は格段に増える。ブースの内側に設置する特大ポスターや衣装などの選択肢も確実に増えるので、自分以外にもメンバーが存在する場合はブースのセッティングについて色々相談してみると良いだろう。

3.リリース後

イベント当日以外で作品を頒布する方法はいくつかあるが、代表的なものは下記のような候補になる。

  • 店舗委託
  • データ販売委託
  • 自宅通販

店舗委託の場合、継続的な宣伝活動を怠ると目に見えて販売枚数が下がり、そのまま不良在庫が送り返されるという話もあるため、のんびりとマイペースに活動したいスタンスの作家には向かないケースもある。また、自宅通販は店舗を相手にする必要が無いという点で手軽さはあるものの、個人情報がダダ漏れというリスクもある。

この中で圧倒的に難易度というか参入障壁が低いのがデータ販売委託で、この方法は個人情報を表に出さず、かつ売れ残りを送り返されるリスクもゼロの状態で販売が可能になる。CD媒体の場合、ディスクを焼き増さなくても良い点や送料を気にする必要が無い点もメリットになる。最近ではデータ販売を委託できる業者が増えてきているので、まずはここから始めてみるのがオススメだ。
*注釈:オリジナル作品でない(アレンジ楽曲など)場合、またはVOCALOIDやUTAUといった音声合成作品の場合は様々な規約違反になる可能性がありますので、データ販売については必ずアレンジ元やVOCALOID・UTAU等の音源販売元の規約に沿って行ってください(タチやん)

NEXT:そういうお前はどうなのか

次のページへ >

Pick up!!

17,824view

まぁ要するにただのまとめ記事です、ただネット上に情報がバラバラになっていると、それはそれで見辛いものがあるのでここらで一 ...

2,915view

7.どうやって見つけてもらおうか? 作品のリリースには、大まかに3段階のフェーズがある。ここでは話をシンプルにするために ...

891view

今更ですが、オフレポみたいなものです。こんにちは、主催のタチやん(@mofday)です。 第25回文学フリマ東京に、サー ...

-R3Magazine-Web, コラム
-, , , ,

おすすめ記事と広告

Copyright© 同人音楽レビュー・エンターテイメント企画『R3Magazine』 , 2019 All Rights Reserved.