僕の宅録の原点
僕をを宅録の道に引きずり込んだのはノッツさんでした。
ノッツさんがいなければ、今の自分はいません。
僕がノッツさんを初めて知ったのは10年以上前のことです。
当時、人並みなバンド高校生だった僕は、「どうやら宅録とかいう自分の家で好きにレコーディングをするやり方があるらしい」と聞き、さっそくいろいろ調べ出します。
そんななか出会ったのが、ノッツさんのホームページ、「ノッツクリーム」でした。
そこに掲載されている音楽や漫画たちはどれも新鮮で衝撃的で、気づけば夢中でサイトを見まくっている自分がいました。
何度気づいたら朝になっていたことか。
漫画もとても好きで、当時結構な頻度で更新されていた絵日記は新着を首を長くして待っていた記憶があります。
そして、へたくそながらも自分の歌とギター、GM音源しか出せないフリーソフトで宅録を始めます。
最初は、「ぷろつーるず?まいくぷり?みでぃ?」のような感じで言葉の意味すら分からず、学校帰りに本屋でサンレコを立ち読みしていろんな用語を覚えました。
ただただ、ノッツさんの曲のようなかっこよくてやさしい音楽を、自分の手で作ってみたかった。
僕の宅録の入り口はノッツさんだったのです。
ノッツさんの音楽
漫画もそうなのですが、ノッツさんの音楽は日常のやさしさやせつなさ、そんな言葉にできない人と人との間に漂う甘酸っぱい空気を、鮮度そのままに真空パックにして封じ込めたような作品です。
それはまるで、あまりにも美しすぎて「時よとまれ」と思わず口から漏れ出てしまうような素敵な一瞬をとらえた写真。
あのね?ほんとにキュン死にするからね?気を付けてくださいね?
音楽そのものも、とても完成度が高いです。
切れ味が鋭くてベンジーばりに泥臭いのに耳に痛くなくて爽やかなギター、甘ったるいけれど透明感があって、時に力強くシャウトして心を鷲掴みしにくるボーカル。
それらが優しく形作るサウンドが、切ないのに爽やかな雰囲気を醸し出しています。
ちなみに、その中性的なボーカルのせいで、定期的に「ノッツ氏は男か女か」論争が巻き起こるのですが、実際のところはDカップの女子大生だと以前ご本人が言っていました。
ほんと懐かしいな、このネタ…。
気になる方は、ノッツさんの写真をこちらのインタビュー記事で見ることができるので、みんな自分の目で確かめてね!
さて、そんなノッツさんの曲の中からおすすめの曲を1曲あえて挙げるとすれば、この曲を僕は推したい。
あの、タイトルちょっとアレですけど、これ本当にいい曲ですからね?
もちろん動画中の絵もノッツさんが書いていて、そこで展開されてるストーリーの甘酸っぱさもノッツワールド全開。
しかしタイトルがアレなせいで、人に薦めたいのになかなか薦められず、そうやって心の中にたまったエネルギーが更に自分の中での特別感を掻き立てるという…。
はっ!?ノッツさんまさかここまで狙って…!?
この曲を含め、現在バンドキャンプで3枚のアルバムと1曲の無料ダウンロードが可能です。
価格もお手頃に設定されていますし、買わない理由がないですね!
ボカロPでもあるノッツさん
ノッツさんは数年前には「若干P」としてもご活躍されていて、2017年現在なんとすべてのニコニコ動画で発表された曲が殿堂入りを果たしています。
ノッツさん持ち前の優しい雰囲気に、ボカロらしい騒々しさが加わってとても楽しい曲達になっています。
さらに、ノッツさんの現時点での最新曲はなんと!あのボーカロイドfukaseの公式デモソング!
これを知った時は「ノッツさんが遂に大物になった!!」と、自分のことのように嬉しかった記憶があります。
ノッツさんがいてくれてよかった
個人的にここ数年結構くたくたになるようなことが多くて、ろくに音楽もできずという状態が続いていました。
ですが、久しぶりに音楽できる環境に戻ってこれたら、ノッツさんはプロの漫画家になってて音楽でも活躍されてるのを知って「いろいろあったけれど、悪いことばっかりじゃないなあ。まあいっか。」と素直に思えました。
そりゃ日々大変なことはいろいろありますが、好きな作品を作ってくれる人がいて、自分も作品作ったら受け止めてくれる人がいて、そんな感じで続いていく人生ならいいなあと。
ノッツさんは、その才能も歩んできた道筋も稀有な存在ではありますが、とはいえ、同人音楽だって誰かの人生にいい意味で大きな爪痕を残すことができるのだなあというのは、僕にとってのノッツさんを想うときにいつも感じることです。
ノッツさんがいたから、僕は宅録やDTMを始めたし、ノッツさんがいたから今までいろんな楽しい思いができたし、ノッツさんがいるからこれからも楽しいことがたくさん待ってるのでしょう。
自分自身、自分の手の届く範囲で細々楽しくやっていければいいなあと思いますし、ノッツさんには音楽も漫画も、少しづつでもいいからどういった形であれ作品を出してくれたら、それだけで僕はうれしいのです。
文責:いみなしとり