こちらの作品は、繫山亮さんの1st EP作品となります、活動としては2015年からネット上で音源公開をしていたとのことですが、2017年M3春ではじめてフィジカル媒体でリリースした音源がこちらになります。
ギター・ベース・ドラムの3ピースバンドサウンドを、下北沢系ギターロックを下敷きにしたとありますが、そこで90年代エモに先祖返りをしたと説明されています。
iris sign.epについて
全体の作風としては、甘ったるいような・時に気だるいような音で油断していたところを、スパイスのような刺激的な音でハッとさせられるような展開をしていきます。
ぼく個人はエモというのは感情の爆発だと考えているのですが、そこへたどり着くまでの文脈がしっかりと道筋立てられているなという印象です。
なお90'sEMOの参照先は「The Get Up Kids,AmericanFootball,mineral、リバイバルでいうとCstvt,AlgernonCadwalladerあたりを筆頭」とのこと。
トラックリスト
01 iris sign
02 KAGEROU
03 mizugiwa
04 pupa
05 Cargo Culture
各楽曲レビュー
ギターのアルペジオとベース、歌唱もリズムもどこか余ったるく気だるい前半と、1サビ後から晴れやかに快活になる展開がキモなTr.1。
Tr.1の中盤で目覚めたような快活さで跳ね回るリズム感で心地よいTr.2。
Tr.3では少々感傷的なメロディーになり、中盤までエモは鳴りを潜めますが、しっかり中間地点で展開を広げてくれます。
ゆったりとした空間を持ち出してくるもヴァースとブリッジでの静と動の対比・繊細さがうれしいTr.4。
ノスタルジーさと甘ったるさを打ち出しつつ、しっとりとした曲調で締めくくるTr.5。
まとめ
要所でのキメ・タメが肝になっていて、前述したエモの道筋立てにきっちり心揺さぶられる作品です。
ボーカルの中~高音の柔らかい声が、こういう楽曲でエモを打ち出すのにちゃんと作用しているのも面白いです。
緩急の付け方がキマっているので、そこでエモのパワーを生み出すことに成功しています。
時折醸し出す繊細な雰囲気が、そういったパワーに壊されることなく出ているのも好感触ポイントですね。
ぼくのお気に入りは静と動の展開が分かりやすく表現されているTr.3。
関連リンク
繫山亮 Soundcloud https://soundcloud.com/shigeyamaryo
通販ページ(BOOTH) https://booth.pm/ja/items/547845
文責:タチやん