レスポンシブ広告




R3Magazine-Web アルバム作品レビュー レビュー

歴史の目撃者となれ。『F-signal / Creation Histories -創造歴史コンピ-』

投稿日:

「Creation Histories -創造歴史コンピ-」は、サークル「F-signal」から頒布されるM3-2018春の新譜である。
同サークルからは過去にも創造コンピシリーズとして、創造の都市を集めた「Creation city -創造都市コンピ-」、都市が遺跡になった姿をまとめた「Creation Ruins -創造遺跡コンピ-」を発表している。今作はこのシリーズ第3弾。都市の始まり、それが遺跡になり、そして発見されるまでの歴史がテーマとなっている。

『Creation Histories -創造歴史コンピ-』について

内容として、今までの二作品とは大きく異なる点があるように思う。
まずは、過去二作品の都市や遺跡という固定されたテーマとは変わり、歴史がテーマとなった今作には時間の動きがある。この静と動の違いが、楽曲にも大きく現れていると感じた。時の流れを感じるかのような展開が、楽曲の中で数多く存在している。
もうひとつは、今作の特設サイトにおける作者ごとのライナーノーツである。各楽曲ごとに歴史について書かれた解説分があり、そこにはさまざま登場人物が存在する。それは都市の重要人物であり、また遺跡を発見する人物であり、それぞれの物語が綴られている。このライナーノーツを読みながら曲を聴くと、その曲の印象が大きく変わるのではないだろうか。その点も注目して聴いてほしい。

アルバム内容はディスク2枚組、各11曲で全22曲と、ボリュームのある内容となっている。
ディスクごとに綴られる時代が異なり、1枚目は都市が建設されてから都市の終暦まで。二枚目は遺跡となってから遺跡が発見されるまでとなる。

トラックリスト

創造都市建設~創造都市終暦まで

page1: Fragments of time :kino
page2: ヴェータピーリの踊り :collt
page3: さかしまの塔、ウルズにて :タチやん
page4: The Conquester :Winna Strive
page5: 聖印祭 :斬龍
page6: Seditionis de silva :EBI
page7: ブルーウォーク・ヒストリア :清水 嶺
page8: Graviente :gLa+nZ
page9: シャルミレイン :NABEMON
page10: 永遠に眠れ :Ravus
page11: Supernova :Gowrock

Disc2 創造遺跡初年~創造遺跡発見まで

page1: Danza de la vida :beckman
page2: Aria le Echo : Evilla feat.月宮 瑠璃華
page3: Fragment sur ce jour-là :照留セレン
page4: Lost City :startide / hiro
page5: フォルクヴァールの記憶術 :5ECH0M
page6: Trace&Escape :rsy
page7: Pandora :氷結
page8: Gipfel :roushoot
page9: Last Explorer :PERI.
page10: 古い鍵と旅人 :珠
page11: 無数に絡まる冒険の軌跡 :tsurugi

イラストリスト

Disc1より
稲葉リンゴ、紅野路、Suzumix
Disc2より
アカミツキ、岡亭みゆ、sorpico(盤面、バナー兼任)

各楽曲レビュー

ディスク1

「Fragments of time」は映画の始まりのようなドラマティックな展開のオーケストラサウンド。都市の変化の始まりとともにアルバムの始まりを盛り上げる。
「ヴェータピーリの踊り」。民族的な旋律と不思議な音色使いが、独創的な文化を感じさせる。
「さかしまの塔、ウルズにて」混沌とした世界観と、終始続く重々しい和音が普通ではない有り様を醸し出している。
「The Conquester」。ギターサウンドが力強くもその曲全体が帯びている感情はとても切ない。
「holyfestival」。ヴァイオリンとピアノが奏でる繁栄の祝いはどことなく物悲しい。
「Seditionis de silva」。まるで舞台を見ているかのように次々と曲が様変わりし、都市に起きた出来事が目の前に広がるようである。
「ブルーウォーク・ヒストリア」。都市の始まりから繁栄・終末までの一連の流れを伸びやかなドゥドゥクのメロディに乗せる。
「Graviente」。ひとつの物語の中の激動の最中にいる、そんな錯覚に陥るほどのオーケストラサウンドの迫力に心震える。
「シャルミレイン」。続く大迫力のオーケストラサウンド。展開する曲の流れは、目の前に広がる映像が見えるようである。
「永遠に眠れ」。ドラムやギターの、重いバックサウンドながらもピアノのメロディはとても心に響く悲しさがある。
「supernova」。きらびやかなサウンドの中で響くストリングスのメロディが美しくも取り返しのつかないような何かを感じる。

ディスク2

「Danza de la vida」。主軸となるメロディはケーナの演奏とオーケストラサウンドで奏で続けられ、どちらも哀愁が漂う。
「Aria le Echo」優しいサウンドと歌声から始まり、突然と急変する重々しいリズムパートにハッとさせられる。
「Fragment sur ce jourur-la」。笛や弦のさまざま民族楽器が鳴り響き、不安を誘う旋律と曲展開で強く印象に残る。
「Lost City」。胸を締め付けられるほどに美しい笛と弦のメロディが、あまりにも切ない。
「フォルクヴァールの記憶術」。独特の節回しの旋律の裏で環境音が鳴っているが、冒頭とその後で異なるのが物語を感じさせる。
「Trace&Escape」。社会の裏を覗き見ているかのような怪しいサウンド。進むにつれて広がりをみせるバックサウンドに気持ちが昂ぶる。
「Pandora」。力強く響くシンセサウンドは機械的な風景を彷彿とさせる。が、どことなく廃れているような物悲しさが感じ取れる。
「Gipfel」。ノリ良く刻むリズムパートと爽快なシンセがとても心地よい。
「Last Explorer」。疾走感溢れる前半から突如現れる美しいコーラスに息を呑む。
「古い鍵と旅人」。荘厳なクワイアのサウンドから始まり、神秘的な世界観へと気持ちが誘われる。
「無数に絡まる冒険の軌跡」。気持ちの良い勇気溢れるサウンドが力強く胸に響く。

むすび

非常に感情豊かな楽曲が揃っており、一曲一曲聴くごとに心躍らされた。ストーリー性を感じる作品が多かったが、それは前述の通りで、今作の動的なアルバムコンセプトからすれば必然であったのだろう。この歴史だけを聴いても素晴らしい作品だが、都市と遺跡を合わせると見えてくる部分も多くあるように思う。こちらも合わせて楽しんでみてほしい。
なお、筆者はこの3作品全てに参加している。

関連リンク

文責:清水 嶺(@Rei_Shimizu)

Pick up!!

14,054view

まぁ要するにただのまとめ記事です、ただネット上に情報がバラバラになっていると、それはそれで見辛いものがあるのでここらで一 ...

2,130view

著:Ark of Phantasm代表 Winna Strive(@Winna_Strive) イラスト:砂灯(@sat ...

730view

今更ですが、オフレポみたいなものです。こんにちは、主催のタチやん(@mofday)です。 第25回文学フリマ東京に、サー ...

-R3Magazine-Web, アルバム作品レビュー, レビュー
-, , , ,

Copyright© 同人音楽レビュー・エンターテイメント企画『R3Magazine』 , 2018 All Rights Reserved.