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R3Magazine-Web アルバム作品レビュー レビュー

8弦ギターとボカロで圧殺する紳士。『ANGEL / 橿原つらら』

更新日:

はじめに

ロック系ボカロPの1stアルバムという触れ込みで個人的には身近なやつだと思っていたが、この作品はいきなりプログレッシブメタルのインストから始まる。正確にいうとdjent(ジェント)といって、2010年頃からメタルシーンの主役に躍り出た新進のジャンルなのだが、つまりこれは橿原つららが現在進行形のメタラーであることを意味する。

^諸事情により、後日音源を再度掲載します-

僕みたいなフニャチン野郎はびびって身構えてしまったのだが、いざ次の曲が始まると初音ミクちゃんとMAYUちゃんが「せぇ~の♡」とささやいてくれるときたもんだ。なんなの?恋愛サーキュレーションなの?ていうか2曲目なのに曲名「プロローグ」なの?とずっこけそうになるのだが、この「プロローグ」もキャッチーながらしっかりとヘヴィに聴かせる仕上がりになっている。

実はアルバムを通じてそんな感じだ。アルバムを通じて多弦ギターの音が中心に据えられて重厚ではあるが、LUNA SEAだとかACID BLACK CHERRY系の国産風な曲調で聴きやすいし、要所要所で調子を狂わせにかかるイタズラっ子的な構成にニヤリとしてしまう。

トラックリスト

01 ELLE
02 プロローグ feat.初音ミク&MAYU
03 ザ☆ロッカーズ feat.GUMI&結月ゆかり
04 adelfa feat.GUMI
05 一月 feat.kokone
06 アイト feat.鏡音レン
07 Cadena feat.鏡音レン
08 Passing. feat.鏡音レン
09 ANGEL feat.鏡音レン
10 APOCALYPTIC KLAXON feat.鏡音リン

ANGELについて

ただしこのアルバムの本質はメッセージ性にある。橿原つららは曲を書くにあたって一番最初に歌詞を書くそうで、サウンド重視になりがちなメタル系の音楽では珍しい制作スタイルだと思われる(今どきポップスでもメロディを先に作るのが主流だ)。全曲にそれぞれテーマがあるのだが、とりわけ際立っているのは「Passing.」。“人身事故”をテーマにしているこの曲のMVはJR新小岩駅で撮られていて、同地が“人身事故”の名所と化すきっかけとなる事件が起きた日時と同じく7月12日10時10分にアップされている。

そういえばかつてcali≠gariというV系バンドが「マグロ」という人身事故ネタの曲を出していたのを思い出したが、あれはかなり軽薄な曲であった。軽薄だからこそ、露悪的なグロテスクが表現できていた。この「ANGEL」も同じように所々で隙を見せてくることで、かえってメッセージや表現の重さと真摯さと紳士さ(ジェントルマンシップ)を際立たせている。だからこそ、ラストに君臨するエモーショナルdjent「APOCALYPTIC KLAXON」を聴き終えたとき、このジェントに始まりジェントに終わるジェントルマンな橿原つらら像がくっきりと立ち現れるのである。

関連リンク

橿原つららの作品(ニコニコ動画マイリスト)
Youtubeチャンネル

文責:あおいん(非実在性芸音科学)
Twitter
Web:http://unrealmusicstudies.blogspot.com/

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