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R3Magazine-Web アルバム作品レビュー レビュー

情緒的で多彩な幅広くエモーショナルなサウンド。Unlimited Color / PARANOIA

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DISCOGRAPHY
http://unlimited-color.com/discography/paranoia

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富山県拠点に活動するサウンドクリエイターチーム、「Unlmited Color」。その代表のNAMBOと、メンバーのOKITA(からし蓮根P)によるスプリットアルバム。それぞれインスト1曲、VOCALOID歌唱3曲づつを担当。NAMBOとOKITAによる、情緒的で多彩な幅広くエモーショナルなサウンドが素晴らしい。

単純なジャンルの枠にとどまらず様々な音を追求した、NAMBOとOKITAのサウンドは濃密で複雑かと思えば一方で、一つ一つの音を繊細に追求したりと、非常に細かい所でも全体としてもクオリティが高く、趣が深い。音も上品に、綺麗に仕上がっているので、聴きやすい。


1.NAMBO / PARANOIA
アルバムの導入曲かつ表題曲。ピアノと女性による高音の発声が、クリアな空間に響きわたり、精神に染み込んでいく。約2分と短いながらも、そこに詰められた音の響きは、その全てが狂気的なほどに美しい。曲の最後は樹海の奥の奥のような、そんな静かなで幻想的な空間まで聴き手の心を誘い込む。

2.NAMBO feat.GUMI / LOST EDEN
Unlimited Colorの1stアルバム『various colords』の最後に収録された、黑色うさぎ歌唱による「LOST EDEN」のボーカロイドバージョン。歌詞は黑色うさぎによるもの。1曲目とはうって変わり、ダイナミックで力強いロックサウンドとシンフォニックな響き。軽快なリズムや音の組み立てはアニソンを思わせる一曲だが、チープな箇所は一つも無い。

3.NANBO feat.GUMI / suicide intend
東南アジアや中東的なアラビアンティックな音使いと、シンセサイザーによるピリッっとした音のダンスミュージック。ジャンル的にはハウスミュージックになるだろうか。随所に使われている木琴が、良い仕事をしている。NAMBOの他の曲にも言えることだが、「退廃的な」あるいは「終焉的な」美しさを、丁寧に繊細に一つ一つの音で切り取り紡いでいる。

4.NANBO feat.GUMI / INNOCENT NOISE
やや早めのハウスとロックが融合したサイバティックな音楽。またおそらくはVOCALOIDをイメージした一曲。声、あるいは思考(ロジック)へとかかる「INNOCENT NOICE」。鼓動のような無機質なドラムンが、その思考を急かす。それは、ロジックから響くNOICEが紡ぐ、「渇望」の音楽。

5.OKITA feat.初音ミク / chemicalout
ストリングスの美しいイントロから始まるドラムンベース。シンセサイザーとストリングス、そしてピアノが淡々とスマートに、でも濃密に進行していく。スピード感はあるのに、圧縮された時間がスローモーションに進んでいくあの感覚が甦る。近未来感はあるのに、どこか哀愁的な寂しい感じがする。同名の楽曲がニコニコ動画にも投稿されているが、別の曲であるので注意。

6.OKITA feat.初音ミク / REISIA
ハードでエモーショナルなラウドロック。このアルバムの中では一番、バンドサウンドの骨格が強くでた硬派な曲。大音量で楽しむべき曲。曲単位では、もっと荒々しくもっと低音を響かせても良かったかと思うが、全体を通して上品にまとめられたこのアルバムの中だと、静かに燃える青い炎のような美しさがある。

7.OKITA feat.初音ミク / ena
JAZZ・ワルツを主体にしたピアノ曲。イントロは美しい旋律のしっとりとした感じだが、メロに入ると、美しさはそのままに楽しく跳ねるように動き出す。実に気持ちがよい旋律が、次々に飛び込んで来るかのうように紡ぎ出され、恍惚となる。豊かだが、一切の不純物がなく、実に素晴らしい。なお、ニコニコ動画にはアレンジこそ違うものの、巡音ルカverが投稿されているので、こちらもチェックすると良い。

niconico (別アレンジ / 巡音ルカ)

8.OKITA / protocol god
このアルバムの締めくくりとなるインスト曲。短めだが静かに堂々としたトランス。前半は無機質で抑制の効いたいかにもなトランス、後半からはピアノとストリングスが入り、躍動的な美しい旋律が調和する。アルバムの中ではミニマルな「paranoia」よりも、さっぱりとした淡麗な楽曲で、気持ちよくこのスプリットアルバムを締めくくっている。


最初はmaxgontaによる、ジャケットの美しさに惹かれた。砂時計型の容器に、月と太陽の柱、色鮮やかな花々、そして詰められたミクとGUMI。一方は暖かく豊かで躍動的、一方で退廃的で暗くて儚くて冷たくて静か。月と太陽がそれぞれをとてもよく象徴しているが、どちらも繊細でとても美しい。黒い衣装をまとった、GUMIとミクの艶まかしさも目を引いた。

外も中も実によく出来たアルバムで、私の中で、2016年のベスト一枚を上げろと言われれば、候補は他にもあるが、おそらくこのアルバムを選ぶ。ストリングやピアノ、シンセサイザーだけでも、実に幅広い音楽性と実力を二人がたっぷりともっていることがわかり、これからの『Unlimited Color』の活躍に実に期待せざるを得ない。

文責:STERN(@STAR_ac_jp

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