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【レビュー】くすのせ 『HORIZON OfuTon Music #4』【同人音楽】

投稿日:2016年12月13日 更新日:

iPadを使い、かわいいピコピコサウンドの限界を追求するくすのせ氏が遂にカムバック!
カムバック最初のリリースアルバムは、OfuTon Musicの4枚目となる『HORIZON』。初音ミク・結月ゆかり・IA・Ranaの幼女Girlsによる歌唱がBonusTrackを含めて過去最多のぎっしり10曲収録。基本的にチップチューンな音が多いが、トゲトゲしさはまったくなく、どの曲も音がまろやかに調和している。

1. Gravity

弾む恋心をちょっぴりふんわりに、そしてキャッチーに。「I feel your Gravity」重力に引き寄せられるように、その魅力に包まれててゆく感覚がする。
Ranaの陽気で元気な感じの声と、初音ミクの華奢で清楚な感じの声が、交互に歌うことによりトキメキが膨んでゆく。この幸福感は、とても心が暖かくなる。

2. 再び咲く花

神社的な和楽の要素(金・笛)とチップチューン・エレクトロニカの混合音楽。歌詞には明確な古文表現は無いものの、「萌ゆる」などにそのような表現を見て取れる。
自然信仰的な実りや慈悲(慈しみ)の大地や風のようなゆったりとやわらかな音と歌唱が素晴らしい。背後から聴こえるミクのコーラスや合いの手も加わり、非常に聴き応えがある。

3.が→るずび→あんびしゃす!
イントロからやや中華っぽさを感じる楽曲。ちょっとだけRanaのイメージと楽曲のイメージにギャップがあり、そこらへんがなんとなくな背徳感がある。弾むというよりも跳ねるようなポップさで、リズムが良く気分が盛り上がる。惜しむべきは、若干歌詞が聴き取りずらい箇所が何箇所かあることか。

4. New World

気だるけに沈むようなメロと、力強く伸び伸びとしたサビ。そこに、潔くスッっと余韻を残さずに溶けて消えていくIAの歌唱の美しさの妙。
メロは、落ち着いたメロディに淡白で澄んだ音が、サビは力強い膨らみを持った美しい響きの音が気持ちが良い。聴いていて体が軽くなるような、清涼感を持った清々しい曲だ。

5. レイニーレイニー -HikikomoRemix-

コンピレーション『夕立フィードバック -レイニーレイニーRemix compilation-』よりの再録。原曲は夕立Pによるオシャレなハウス曲、「レイニーレイニー」。そのおしゃれ感をそのままに、よりディスコティックにリミックス。
ビリビリバリバリとした、電子的なダブ音がアクセント。一聴して分かるように歌唱も原曲と違い、くすのせ氏らしいすっきりとした歌唱に変更されている。
ゆったりとした音に、この楽曲の素晴らしさを再認識できた。

原曲 夕立P レイニーレイニー

6. 寝っころGirl

土日と休みに聴きたい脱力系日常讃歌。しかしながら、この音のとり方はまさに行進曲(マーチ)である。
「讃えよ土日を、寝っころGirl。」そんなノリで聴くと、また面白いかもしれない。それから、ゲームなんかでよくある、RPGの重要戦闘もこんな感じ。寝っころGirlと、月曜日との戦いはこれから始まるのだ。

7. ヤンデレテレフォン

「もしもし」から始まる、"拘束系"テクノポップ。早口の英語のフレーズのたたみかけや、歌詞の繰り返し、キャッチーなメロとノリのよいリズムなど、一度ハマるとがっつりと中毒性が高い。
曲も後半になるとより大胆になるので、ついつい"吐息や声"に耳を傾むけてしまう。曲の最後に冒頭の呼び出し音で終るのも色々と想像が膨らんでしまう。

8. 君を待つ

コンピレーション『ネココンピ』よりの再録。コンピレーションの名前表すように「ネコ」が楽曲のテーマ。甘えるような愛くるしい、Ranaの歌唱がガッチリと聴き手のハートをもふもふしてくる。
メロディも良いが、なによりもこのRanaの声が勝負な一曲。「NYA-OHHHH!」と迫られた日にはもうRanaを、"飼"いたくなることは間違い無い。

9. HORIZON
このアルバムの表題曲。初音ミク・結月ゆかり・IA・Ranaと、いままで各曲を歌ってきたGirlsgがジャケット通りに全員参加。手を取りあって、皆で楽しく歌っている姿がイメージできる楽曲。
「まとめる・繋げる・調和する」といった様々な世界と言おうか、そのようなものが繋がっていて広がりがあり、聴いていて楽しく、心がやすらぐ。

10. Tone -Bonus Track-
「好き!」という気持ちが、ストレートに伝わってくる。いや、それを伝えるためのラブソング。このBonusTrackの歌唱はRanaによるものだが、もともとを遡ると2012年8月にSoundCloudに投稿された初音ミク歌唱版が確認可能。そのためか、音源は他の楽曲に比べ、ややノイズが混じる。
元ネタ(原典)は、ガストより発売された、7次元コミュニケーションゲーム「シェルノサージュ」。ちなみにゲームのメインヒロインであるイオンも、歌唱を担当するRanaも、同じ加隈亜衣がCVである。

基本的にくすのせ氏の楽曲は、テクノポップに、少女の可愛さとセクシャルさが根底にある。
また、基本的にクリアーな音が多く、余計な装飾やベタベタとしたものを排除する傾向をIAの発声や音のキレに感じる。
キャッチーさやポップさをもとに、それを多くのジャンルや要素とクロスさせ紡ぎ出された楽曲群は、他では聴けないものばかりであり、聴き込めば聴きこむだけそれに答えてくれる。

過去作品全3枚がboothで通販されているので、#4が通販開始されれば是非あわせて入手すべきだ。

webくすのせさんとこ(BOOTH通販サイト)

文責:STERN

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