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R3Magazine-Web 同人アルバムレビュー

【同人音楽】神秘的・幻想的・そしてちょっとの意外性……?民族調の解釈とは。鶏肉製造所/Ethniqa【レビュー】

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「全編打ち込み!中身は民族調!midiダウンロード可能!」ひと昔前のWeb上、midiをダウンロードして各々で楽しむ。すこしだけあの頃を思い出した、そんなコンピです。

Ethniqaについて

特設サイト上から楽曲のmidiをダウンロードできるということ、全てが打ち込みによる楽曲というのが特徴として挙げられます。
民族調というと、ケルティックでしたり和風中華風でしたりエスニックでしたりと様々なイメージが浮かび上がりますが、わりと共通して浮かべるのは"生演奏"という部分ではないでしょうか。
生演奏が印象として浮かぶようなジャンルであえて打ち込み縛りにしたり、midiをダウンロードできたり。そういったのもDTMerならではのアプローチであり、またひと昔前のmidiをダウンロードして楽しんでいたweb上の賑わいを思わせたりします。

トラックリスト

Disc 1
1 ドリュアスの追想 - 相川せり
2 ボンボード - mozell
3 Lammas - a_hisa
4 港町の輪舞曲 - 綾河キラリ
5 March of the Morning glow - Gowrock
6 収穫祭の街から - タチやん
7 交易都市ツィーゲルブルグ - aim
8 the leisurely walking - EBI
9 颯声 - 久兎
10 カラドリオスの訪れ - 石原けい子
11 風の向こう側 - corico
12 ANTIQUA - YorKu
13 雲ひとつ無き空 - 清水嶺

Disc 2
1 Yggdrasill - 真井田ケイ
2 opus:0 - セイ
3 Tropical Pineapple Party - くふ
4 RIVERandSKY - Itcha
5 豊穣を祈って - 霧島柚衣
6 gealach - つきのわ
7 古道ノマクカマヤ - CRONOSRECORD
8 El cid - 傑
9 Tapio - Azell
10 One-night - 風のウィン
11 剣と赤ウサギ - 遊句
12 Rapa Nui - ちきんぐ

各楽曲レビュー

Disc1
旅の始まりとその道中を思い起こさせる、目まぐるしく色を変えていくTr.1。
力強くも軽やかなリズム隊に舞い踊るような笛の音が乗るTr.2。
少し野性的なものを感じさせるメロディーに、かわいらしくもある音色が飛び交うTr.3。
冒頭とラストの音から港の潮風の匂いと、行きかう人々の生活の忙しさが伺える音使いのTr.4。
ベースの安定したリズムに次第にテンションが高まるも、どこか安堵するTr.5。
曲の前後のSEからお祭り騒ぎの町中を過ごす一家庭の情景を思わせるTr.6。
少し神秘的ですが、パーカスや楽器隊の使い方が軽やかで曲全体は重たくなく心地よいTr.7。
焦げたような刺激を思わせる憂いを帯びた熱がメロディーから伝わるTr.8。
冒頭から続いていたような旅路に陰りを思わせる、寂しさと前の曲からの憂いを膨れ上がらせるTr.9。
今までアルバムを通してあった、神秘性を一気に引き上げたような情景に鳥肌さえ立つTr.10。
通り過ぎた全曲の神秘性を旅愁に変えたかのような前奏を、そのまま突き進む力に変えていくような展開を見せるTr.11。
前2曲の陰りを吹っ切ったかのように壮大な景色に放り込まれたような錯覚に陥るTr.12。
これまでの曲の旅を一度締めくくるかのような穏やかさと爽やかさを湛えたTr.13。

Disc2
壮大な物語の幕開けを思わせる、訝し気で重たく煙たい雰囲気が一周していっそ清々しくもあるTr.1。
一転して、トロピカルで楽し気な雰囲気で終始心軽やかに弾ませてくれるTr.2。
midiの打ち込みと聞いて一瞬「えっ!?」と思ってしまう声ネタが飛び出す、飽きのこないフレーズが繰り返されるところが病みつきになるTr.3。
すこしブレイクダウンして、ゆったり透明感のあるメロディーで落ち着かせてくれるTr.4。
物悲し気な雰囲気と幻想的な、それでいて芯の強さもメロディーから垣間見せるTr.5。
さらに哀愁深まって、うかつに触れれば砕けそうな繊細なメロディーと響きを聞かせてからそのまま盛り立てていってしまうTr.6。
嵐の前の静けさとも言える、絵に例えれば絵画芸術を曇りガラスから覗くような音使いに打ちのめされるTr.7。
グッと勇ましくなって、全てが情熱的でありながら静と動を見事に使ったTr.8。
壮大な雰囲気に雄大さを湛えた、しかしきめ細やかな飛び道具にもどこか癒されるTr.9。
不思議なリズム・パーカスに乗っかるのは、こちらを更に幻惑させるかのようなメロディーのTr.10。
勇ましく戦う者共を思わせるも、切ないメロディがどこかかわいらしくもあるTr.11。
民族調といえばアンプラグドな楽器使い、という印象を打ち砕くようにシンセを採用し見事ラストを飾った、世界の不思議を詰め込んだようなTr.12で作品は幕を閉じます。

総評

各人の民族調というイメージに答えを出してきたら、びっくりするほど解釈の広さが浮き上がってきたようなアルバムです。
アンプラグドなイメージの付きまとうようなジャンルにギラついたシンセを持ち込んできたDisc2のTr.12「Rapa Nui」には度肝を抜かれました。
(ちなみにRapa Nuiとはイースター島のこと、モアイ像の謎と神秘性を体現していると言えます)

あえてのオール打ち込みという、DTMerならではの制作に関する縛りが元々打ち込みしかしないタイプの人にはどう効いたかはわかりませんが、打ち込み技術を他者に見られるということが積極的に打ち込みの精度を上げようという意識の高まりを促したのはあると思います。

「Ethniqa」特設サイト
通販ページ(BOOTH)

文責:タチやん

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