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【同人音楽】"Electrogene"の軌跡を歌う Hello1103 / 遺電子のつづき【レビュー】

投稿日:2017年2月13日 更新日:

遺電子のつづき (Electrogene) from Hello1103 on Vimeo.


遠くまで、遠くまでつづく

気持ちのよい電子音と、透き通る歌声。遠く彼方へと溶けて消えるような、初音ミクの歌唱に誘われてトレースする、遺電子の軌跡のエレクトロニカ。音と時間のゆらめきは、未来から過去へ、過去から未来へとつなぐ「わたし」と「あなた」の物語の一部始終である。か細い糸のような、脆く危ういその「つづき」でも、時代も空も星の海を超えて行ける。そんな弱さと強さ、脆さと確かさ。そんな、生命の、電子の脈々とした「血」。

イメージを焼き付ける

かなり大雑把に楽曲の展開を分けると、ノスタルジックで繊細な初まり、時間がゆっくりと流れるような儚い透明感がある間奏、そこを超えてわっと広がる色づいた世界への壮大な跳躍と広がりの終盤と分けられる。MVは、その展開に合わせて初音ミクのMMDモデルの美しさを鮮明に視聴者に焼き付けるようになっており、それにより初音ミクによる歌唱がよりいっそうと際立っている。未来的・サイバー的な動画演出や、色の移り変わりも「初音ミク」という映像イメージをより深く構成する要素となっている。

メタフィクショナルなイメージを物語へと繋げる

タイトルの「遺電子」は、人の「遺伝子」とデジタルの「電子」の合成語であり、生物として紡ぐ時間や神秘性、電子がもつ未来感や情報性を見事に表現した言葉である。テーマ自体に、時間的・空間的な広がりがあるが、それをさらに広げているのがVOCALOIDである初音ミクによる歌唱である。楽曲がもつ「遺電子の物語」とメタフィクションである「VOCALOIDのイメージ」が重なりあう事で、そのイメージを斬新に、そしてノスタルジックに描ききっている。物語と初音ミク、双方のイメージをしっかりと遺した楽曲と言える。

この楽曲、もとは2011年に投稿された楽曲「遺電子」という曲の書き直しである。当時とは比較にならない程に、はるかに歌唱も音もブラッシュアップされている。そういった楽曲自体の変遷も、この曲に別の広がりを与えている。


Music・Movie
Hello1103

Vocal
初音ミクV4


VIDEO
https://vimeo.com/196210167
http://www.nicovideo.jp/watch/sm30192247
https://www.youtube.com/watch?v=mi2sl4PnC-E

BUY
https://hello1103.bandcamp.com/track/electrogene
https://booth.pm/ja/items/370218

LYRIC
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882169047/episodes/1177354054882169059

STORY
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882169047/episodes/1177354054882169053

文責:STERN

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